東京中央卸売市場の豊洲市場(東京・江東区)で、毎年1月5日に行われる恒例の「マグロの初競り」で、最高値で競り落とされたマグロを「1番マグロ」といいますが(正確には、その日落札された1キロ当たりの落札価格が最高値のマグロのことを指す)、毎年、「●●億●●千万円で落札!」といった具合に新年早々ニュースなどで大きな話題になっています。
「マグロの初競りは、昔から高値で取引されていたのか?」
テレビの視聴者たちはみな疑問に思うはずです。そこで、今回はマグロの初競りの歴代最高額と落札者(落札業者)をまとめてみました!なんとそこには意外な結果が!
マグロ初競り歴代最高額の推移まとめ一覧!
(2021年1月5日追記)【速報】2021年のマグロの初競りは、青森県の大間港で水揚げされた重さ208.4キロも本マグロを、仲卸大手の「やま幸」(鮨おのでら)が2084万円で落札!
ここ10年ほどのマグロの初競りの落札最高金額と落札者、産地などをまとめてみました。
年 | 落札金額 | 重量 | 落札者 | 産地 |
2021年 | 2084万円 | 208.4kg | やま幸(鮨おのでら) | 青森県大間 |
2020年 | 1億9320万円 | 276kg | 喜代村(すしざんまい) | 青森県大間 |
2019年 | 3億3360万円 | 278kg | 喜代村(すしざんまい) | 青森県大間 |
2018年 | 3645万円 | 405kg | やま幸(鮨おのでら) | 青森県大間 |
2017年 | 7420万円 | 212kg | 喜代村(すしざんまい) | 青森県大間 |
2016年 | 1400万円 | 200kg | 喜代村(すしざんまい) | 青森県大間 |
2015年 | 451万円 | 180kg | 喜代村(すしざんまい) | 青森県大間 |
2014年 | 736万円 | 230kg | 喜代村(すしざんまい) | 青森県大間 |
2013年 | 1億5540万円 | 222kg | 喜代村(すしざんまい) | 青森県大間 |
2012年 | 5649万円 | 269kg | 喜代村(すしざんまい) | 青森県大間 |
2011年 | 3249万円 | 342kg | リッキー・チェン/久兵衛 | 北海道戸井 |
なんと、ここ10年で落札したのは、寿しチェーン「すしざんまい」を展開する「喜代村」と、「鮨おのでら」、「リッキー・チェン/久兵衛」の3者だけなんですね!
リッキー・チェンは香港の有名な実業家で、アジアなどで寿しチェーン店を展開しています。久兵衛も有名なお鮨屋さんです。
そして、毎年何億もの高値で取り引きされているように思っていましたが、ここ10年で1億円を超えたのは、2013年と史上最高値をつけた2019年、そして2020年の3回だけなんですね。
2015年はなんと451万円!2019年の3億円オーバーに比べたら、とても安く感じてしまいますね。年によっては、これだけ差があるとは、たいへん驚きです。
1番マグロが揚がった産地を見ると、ほぼ青森県大間。「大間のマグロ」といえば一大ブランドですもんね。マグロといえば大間、大間といえばマグロを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

マグロ初競りの1番マグロはなぜ高い?
マグロの初競りで落札される1番マグロはなぜ高騰するのでしょうか?
そもそも、「初競り」とは、その年に初めて市場で行われる競り売りのことで、マグロに限らず、野菜や果物などでも全国各地で行われます。
年初めに行われることから、景気付けや商売繁盛などを願う縁起物としての意味もあり、落札価格が高騰する傾向があります。いわゆるご祝儀相場というやつですね。
ただ近年では、縁起物としてより、テレビやインターネットが普及したことで広告効果を狙った落札目的というものがあります。
マグロの初競りといえば、もうお馴染みとなった寿しチェーン「すしざんまい」の木村清社長です!
毎年この時季になると必ずといっていいほど話題に上ります。(笑)
ここ10年の落札者をみると、ほぼ木村清社長ですから。
最高値の落札者として取り上げられるようになってから、一気に「すしざんまい」の知名度が上がりましたよね。
マグロの初競りのニュースは全国ニュースで流れますから、広告費でいったら数億でマグロを競り落としても、十分もとが取れているのではないでしょうか。
まあ毎年これだけ競り落としていたら、木村社長にも多少の「意地」もあるのかもしれません。(笑)
初競りで高騰するのはマグロだけじゃない!
初競りで高値がつくのは、なにもマグロだけじゃありません。魚や肉のほか、果物や野菜なんかもよくニュースになります。
有名なのは、北海道の「夕張メロン」なんかがありますよね。これも毎年ニュースで見る人も多いと思います。今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で需要が落ち込んだことから、2玉で12万円で落札されましたが、前年はなんと2玉で500万円の史上最高値がつけられたそうです!近年の夕張メロンの初競りの相場は、2玉100万円以上で推移していました。
またその他では、近年の初競りの例を見ますと、みかん1箱250万円、ぶどう130万円、サクランボ佐藤錦80万円、リンゴ1箱70万円などがニュース報道されていました。
どれもご祝儀相場で、生産者のみなさんはニッコリですね。